デジタル放送の幕開け

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年末の大掃除で10年前つまり1998年のシンポジュウムの口述筆記を見つけた。私が喋ったのを事務局が活字に起こしたものです。当時の状況と些かの違いは出てきている が、こんなことを考えていたのかといま読み直しても面白いから変だ!自画自賛、我田引水の感は否めない。実際にはパワーポイントの紙芝居も用意した。

デジタル放送が幕を開けようとしています。デジタル放送というのは、新パラダイムなのかという疑問が一部にはございます。この新しいパラダイムに、ネガ ティブなことを言えばきりがないけれども、これに積極的に乗っていかなければ先がないだろうと申し上げたいのです。

幕が開きつつあると申し上げましたが、世界中で衛星放送が運用されております。あるいは、運用される予定です。マードックが今のところチャンピオンです。ただ、これからどうなるかは、誰にもわからない状況ではあります。

次に日欧米主要先進国のデジタル放送計画はどうなっているか?アメリカですが、4大ネットワーク系列23局で放送を開始します。そして順を追って拡大して いって、2002年を目指してデジタルテレビへ移行しようとしています。民放のほかに公共放送というのがあります。これは寄付金で成立している特異な局で す。これが2003年に移行完了ということになっています。つまり2006年を目指して、今我々が普段見ている放送は全部終了してしまう、いま使っている 電波も全部変えてしまうという予定になっています。

欧州は情報が少なくてよくわからないのですが、始めていることは始めているようです。15年かけて移行する計画のようです。日本は2000年を目指して移行を進めています。なぜデジタル放送か?

今までの映像、音声に加えて、データ放送、何とインターネット絡みのサービスが開始されるということです。それから、品質の良い画と音声もサービスされま す。ここで少し厄介なのは、画像方式は統一されると思いますが、音声の方式が日本とアメリカで違うことになりそうなことです。

映像・音声ともにデジタル圧縮するので、多チャンネルの伝送が可能になってきます。これまでのアナログ・ハイビジョン方式の信号を1チャンネル分しか伝送 できなかった中継器でデジタルでは6から10チャンネルも送れる計算です。ちなみに、英国の地上波は1チャンネル当たり8MHzの帯域を使っていますが、 これに4チャンネルのデジタルを乗せようというのが彼等の計画です。ただ、「何だかこれ、俺にとって魅力がないね」って言う方も居られると思います。申し 訳ないけどそういう方は古い世代で新世代の方は大歓迎だと思います。

放送とインターネットの統合(融合)、誰が抵抗してもこれは阻止できない大きな潮流です。世界の各社はインターネットも含めてビジネスチャンスと捉えて、 いろいろ製品化をやっているようです。所謂セットトップボックスと呼ばれている製品で、何でも受信し、何でも処理してディスプレーに表示してしまうという 代物です。こういう仕掛けをでもって利便を享受できる時代が、もうすぐそこに来ていると言えます。

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